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  • CC&Associates 桑田里絵

楽しむことが私の仕事

CA 桑田です。


先日、第一回大須会議というのをやりまして、

「幸せな生き方って?」というテーマで

12人が話し合いました。


そこでまとまった提言が『多様性を認め、今を大切に生きよう』となりました。





その少し前に、突然思い立ったことがあります。


楽しむことが大事、とは最近よく言われることですね。


働くを楽しむ。


生きることを楽しむ。


いろんなことがあっても、楽しんだ人が勝ち、とか…


でも、その時私に降りてきた考えは、

「楽しむことが仕事」だな、というものでした。


私の仕事は楽しむことだ、と。




10数年前、不思議な体験をしました。


突然、長男の様子がおかしくなり、妙なことを言い始めたのです。


「僕なんかいないほうがいいんだ」


「死んだほうがいいんだ」


そして、奇声を発し、床をのたうち回って手が付けられなくなりました。


私は慌てふためいて、そんな長男を連れて、いろんな医者やカウンセラーの元を訪ねましたが、まともな回答は得られず、結局、彼は発達障害と診断されました。


それに違和感を覚えた私は、

「医者もカウンセラーも役に立たない。なぜまともに取り合ってくれないんだ!」と文句ばかり言っていました。


そんな私に、ある友人が、

「文句ばかり言ってないで、自分で学んでみたら?息子さんの心がどうなってしまったのか、わかるまで調べてみたらいい」と助言してくれたのです。


そこから私は心理学やコーチングを学び始めました。


ある時、ふと思ったのは

「この子は私に何かを伝えようとしているんじゃないか?言葉で上手く言えないから、こんなことになっているけど、本当は、"お母さん、そんなんじゃダメだよ"と言いたいんじゃ?この子は私を映している鏡なのでは?」と感じたのです。


それから少しして、コーチングの先生から

「人は自分の鏡だ」という言葉を聞いて驚きました。


その頃、私の勤めていた会社では、リストラの嵐が吹き荒れ、長年の同僚が次々と辞めさせられていて、私は非常に荒んだ状況にありました。


家に帰っても、ほとんど笑わず、長男にも「どうしてそうなの?」と責めるような言葉を掛けていたのに気づいたのです。


そして、とうとう私は意を決して息子に約束しました。


「お母さんは、もう少ししたら会社を辞めるよ。そして、楽しいことしかしない。好きな人としか仕事しない。楽しくてしょうがない!って思いながら生きていく。だから安心して。きっとよくなるから」


しばらくして私は会社を辞め、子ども達に将来の夢を描いてもらうドリームマップから講師業を始めました。


すると、長男は何事も無かったかのように落ち着いて、おかしなことは言わなくなりました。


長男はその後も少し変わった子でした。

時間割を合わせたこともなく、宿題は全くしなかったし、なぜか上履きを履かないので先生を困らせていたし、授業中は消しゴム彫刻か迷路を描いていました。

でも周りの人に恵まれて、のびのびとした子ども時代を満喫し、今では全く普通の大学生です。


彼にその頃のことを話しても、覚えていない、と言います。



しかし、私は既にその時、彼から教えられていたのです。


お母さんの仕事は楽しむことだよ、と。


つい先日、そのことを思い出しました。




それまで、忘れていたわけではないし、息子に嘘をついたわけではないけれど、

上手くいかないことも沢山あって、楽しんでばかりはいられませんでした。


そして、生来の生真面目な性格から、仕事は一生懸命やるもんだ、苦しんで、努力しないと。それでこそ評価されると思いこんでました。


「人生、楽しいことばかりじゃいられないよね」と、どこかで諦めていたのだと思います。



でも、でも、それは違う。



あの時、息子が命がけで教えてくれた。


あなたの仕事は、楽しむことだと。


それを本気にしていなかったのは、私です。



上手くいかないことは普通にあるけど、それも楽しむ。


ダメな自分も楽しむ。


それが私の仕事だ。


そう思うことにしました。




先日、次男がかなり深刻な病気にかかっていることがわかりました。


かなりの確率で、体の大切な機能が奪われるような手術が必要になると医者に告げられ、二人で呆然となりました。


まだ信じられない思いでいます。


何もできない自分がもどかしく、どうにかなりそうになります。


次男に向かって「もっともっと大変な病気で苦しんでる人も、世の中にはいるよね。命にかかわる人も。池江璃花子さんだって大変な思いでいる。災害で亡くなる方も…それに比べたらまだ命までは取られないだろうし…」と、気休めを言った私に、「そういう考え方は好きじゃない」とキッパリ。


彼は絵を描くことが自分の天職と決めています。


そして「腕さえあれば、他はいいよ」

と答えました。


本当は不安で不安でしょうがないだろうに…

絵が描けるなら腕さえ残ればいいなんて、思ってないだろうに…

涙が止まらなくて困りました。




だから、こんな時でも、私達は楽しむと決めました。


息子は絵を描き、友達と春休みを楽しむ。

そう決めたようです。


私もできるだけのことをして、この瞬間を楽しく生きようと思います。



それでも運命が試練を望むなら、私達は一緒に生きられること、一緒に立ち向かえることを喜ぼうと思います。

まだ命はあるのだから。



自分達の生活に、人生に、突然降ってくる災難。

人は本当にいつどうなるかわからないんだ、と思い知らされます。


それがどんなに酷いことでも、「今を大切に生きる」ことを二人の息子が教えてくれました。


いつ死んでもおかしくないんだから、

人と比べてどうとか、まだ足りないとか、そんなことより、今、この瞬間に生きている奇跡を楽しめる自分でいたいと心から思います。


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